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FMラジオ番組
「まきの聖修の、出せ静岡の底力」
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もう一つの「国連」の創出を
── 問題解決能力の無い「国連」に代わる世界組織を ──
[2015.6.6]
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旧体制の遺物と化した「国連」 |
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「国連」について考える
今年は、戦後70年目の年である。
この70年目を機に、これまでの世界秩序を維持してきた「国連」について考えてみよう。
そもそも日本で「国際連合」と呼ばれている"United Nations"は、第二次大戦中は「連合国」と訳されていた。
言葉に一貫性を持たせるためには、"United Nations"は「国際連合」ではなく、「連合国」と呼ぶべき組織なのである。
ちなみに現在「国連軍」と呼ばれる"United Nations Army"は、第二次大戦中は「連合国軍」と訳されていた。
したがって、「国連憲章」とは「連合国憲章」のことであり、「国連に加入」とは「連合国に加入」のことであり、「国連軍に加わる」とは「連合国軍に加わる」ことである。
当然のことながら、「永世中立国」を宣言しているスイスやオーストリアは、国連には加盟していない。
このような分かり切った事を、なぜ今さら仰々しく書いているかというと、いよいよ"United Nations"が「連合国」としての本性を露呈しつつあるためである。
「敵国条項」の問題
先月、ロシアのラブロフ外相はロシア新聞とのインタビューで、北方領土問題に関連して「日本は第二次大戦の結果に疑問を付ける唯一の国だ」と述べた。
戦後70年の今年、プーチン政権は「戦勝国」の立場を特に強調しており、その一環での発言とみられるが、ラブロフ外相が、日独伊など大戦当時の枢軸国を対象とした国連憲章の「旧敵国条項」にも言及した事は重要である。
さらにラブロフ外相は、「国連憲章では、戦勝国のしたことは全て崇高で揺るぎないと述べられている。その法的意味は、『何一つ触るな』ということだ」と主張した。
四島返還を求める我が国に対する牽制としては度が過ぎる発言であり、恫喝にも等しいと言わざるを得ず、日本政府としては断固抗議すべきところである。
このような事は、何も今に始まった事ではない。
2012年9月の日本政府による尖閣諸島国有化の措置に対して、中国外務省の秦剛報道局長は記者会見で、「敗戦国が戦勝国の領土を占領するなど、もってのほかだ」などと、日本を名指しで非難する談話を発表したが、その際に国連憲章の「敵国条項」を持ち出して、日本に対する軍事攻撃の可能性を示唆した。
国連憲章第53条第1項後段(安保理の許可の例外規定)と第107条(連合国の敵国に対する加盟国の行動の例外規定)では、第二次世界大戦中に「連合国の敵国」だった国が、戦争により確定した事項に反したり、侵略政策を再現する行動等を起こした場合、国際連合加盟国や地域安全保障機構は安保理の許可が無くとも、当該国に対して軍事的制裁を課すことが容認され、この行為は制止出来ないとしている。
中国が頻繁に、「反ファシズム戦争の勝利の成果と戦後の国際秩序を守る」ことを「歴史の尊重」として引き合いに出してくるのは、明らかに国連憲章の敵国条項を意識したものである。
1995年の国連総会において、日本はドイツとともに敵国条項を国連憲章から削除する決議案を提出し、賛成多数によって採択されたが、この決議そのものは国際法上の拘束力は持たないものであった。実際に条項が削除されるためには憲章の改正手続が必要であり、憲章は国際条約に該当するため加盟各国における批准が必須要件となる。そのため、未だに敵国条項は削除されないまま、今日でも国際法上は有効なのである。
したがって、国連憲章の敵国条項を大義名分にして、日本に対して武力攻撃することは、国際法上は認められていることになるのである。
最近の中国やロシアが持ち出すのを見れば、敵国条項が決して「過去の遺物」などではなく、現在も完全に有効な「伝家の宝刀」である事が分かるであろう。
「国連」に代わる世界組織を
こうした事を踏まえるならば、なぜ「国連」が世界平和に無力であるかが理解できる。
もともと「国連」とは世界平和を目的として作られたものではなく、戦争遂行の為の攻守同盟がその本質だからである。
「国連」が、世界的な環境問題や貧困問題や人権問題に関しても全く無力であるのは、当然の帰結と言える。
1945年に成立した世界的レジームを固定化し、それに伴う既得権益の維持を最大の目的として存在しているのが「国連」である以上、そもそも「国連」は、世界の人類全体の利益の為に活動する動機を持たないのである。
「国連」が世界の環境問題や貧困問題や人権問題について何かをやっているように見えるのは、全てアリバイ作りに過ぎない。
人工的に作った国境による国家を基礎単位として構成される「国連」は、「世界平和」「環境保全」「人権擁護」といった普遍的価値観には馴染まない。
ましてや、未だに敵国条項を温存している「国連」では、紛争をもたらす事はあっても、「世界平和」など実現し得るはずはない。
また、一握りの大資本の傀儡と化している国家を基礎単位としている「国連」では、「貧困撲滅」など到底不可能であるし、国連の活動の眼中に「貧困問題」は存在しない。
「1945年の原状変更を認めない」というのが、「国連」の至上命題なのである。
「国連」が、「1945年レジーム」の固定化を最大目的とする以上、貧困問題も環境問題も人権問題も、全て既存の状態のまま「固定化」されるのが必然的帰結である。
事ここに至っては、「国家」を基礎単位とせず、「民族」や「宗教」や「文化」を基礎単位とする世界組織を構築しない限り、平和な世界や調和のとれた世界など、到底望むべくもないであろう。
今や、「もう一つの国連」が必要である。
現在の「国連」に代わる、新たな世界組織が必要である。
爆発する世界人口と、混沌の渦中にいる世界人類に、平和と調和への秩序をもたらし得る世界組織が真に求められている。
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《財団概要》
名称:
一般財団法人 人権財団
設立日:
2015年 9月28日
理事長:
牧野 聖修
(まきの せいしゅう)
定款(PDFファイル)
《連絡先》
一般財団法人
人権財団本部
〒100-0014
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十全ビル 306号
TEL: 03-5501-3413
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