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 理事長プロフィール





FMラジオ番組
「まきの聖修の、出せ静岡の底力」













人権財団創立にあたって

─ 人類の一員として、この惑星の為に何を為すべきか ─

[2015.9.28]




一般財団法人 人権財団
理事長
牧野 聖修


常に社会的弱者やマイノリティの立場から


 私牧野聖修は、25歳で静岡市議に当選して以来、静岡県議、衆議院議員と、40年余りにわたり政治家人生を送って参りました。

 政治家人生の前半の約20年間は地方政治、後半の約20年余りは国政と、政治のあらゆる現場を経験してきました。

 地方議員の頃は、組織をバックに持たない中小零細事業者や社会的弱者の立場に立って、大規模小売店舗を規制する運動など、様々な活動をして参りました。

 国政に転じてからは、反金権政治の運動、新党結成、チベット支援、中国民主化運動支援、冤罪撲滅運動をはじめ、国内外の抑圧された人々を支援する人権活動を展開してきました。また、その間に政権交代も実現し、野田内閣では経済産業副大臣を務めました。

 こうした長年にわたる地道な活動の甲斐もあって、2010年度のノーベル平和賞が、中国で政治犯として拘留されている民主活動家・劉暁波氏に授与された際には、私は獄中の劉氏の代理人の一人として、2010年12月、ノルウェーのオスロでのノーベル平和賞授賞式に参列致しました。

 このように、私は40年余りの間、常に社会的弱者やマイノリティの立場から人権活動を推進して参りました。


米国公民権運動の聖地を訪ねて

 1989年の天安門事件から25年目を迎えた昨年、私は5月31日から6月10日まで、米国各地で開催された「天安門事件25周年」関連の様々な集会に招待され、ワシントンDC、ニューヨーク、メンフィス等を巡りました。

 ワシントンDCでは、連邦議会議事堂前の広場で集会が開かれましたが、まさに同じ連邦議会議事堂の石段で、1961年1月20日、ケネディ大統領が就任演説を行いました。

 余りにも有名なこの就任演説の最後は、次のような言葉で締めくくられました。

"My fellow Americans: ask not what your country can do for you , ask what you can do for your country. 

 My fellow citizens of the world: ask not what America will do for you, but what together we can do for the freedom of man.

 Finally, whether you are citizens of America or citizens of the world, ask of us here the same high standards of strength and sacrifice which we ask of you.

 With a good conscience our only sure reward, with history the final judge of our deeds, let us go forth to lead the land we love, asking His blessing and His help, but knowing that here on earth God’s work must truly be our own."

(米国民の同胞の皆さん、あなたの国があなたのために何が出来るかを問うのでなく、あなたがあなたの国のために何が出来るかを問うてほしい。

世界の市民同胞の皆さん、米国があなた方のために何をするかを問うのではなく、われわれが人類の自由のために、共に何が出来るかを問うてほしい。

最後に、あなたが米国民であれ、世界の市民であれ、今ここにいるわれわれに対して、われわれがあなたに求めるのと同じ力と犠牲の高い基準を求めてほしい。

善良な良心を唯一の確かな報奨として、歴史をわれわれの行為に対する最後の審判として、神の祝福と助けを求めながらも、この地球上における神の御業を真にわがものとしなければならないことを知りつつ、われわれの愛するこの土地を導いていこうではないか。)


ケネディ大統領の就任演説 (1961.1.20)
PHOTO: (C) Wikipedia


 今の時代に、再びこの演説文を読み返すなら、人類の自由の為に闘い続ける事の意義を改めて感じさせられます。

 日本のマスメディアでケネディ大統領就任演説のラストの部分が紹介されることはまずあり得ませんが、やはりアメリカの民主主義の根底には「神」があり、アメリカは「神の国」なのです。歴史的に、民主主義の権力の根拠が「神授説」であることは、欧米では一般常識です。

 このように、成熟した民主主義の実現の為には、人間社会を超越した上位価値や上位概念が必要とされます。

 しかしながら残念なことに、日本のマスメディアは「神」や「国家」などの言葉にアレルギーがあるようです。

 そこで、それらの代わりに「地球」あるいは「惑星」といった上位概念に置き換えると、

"Do for our planet."

となります。


大統領就任式では必ず「聖書」に宣誓
PHOTO: (C) Wikipedia


 さて、後半日程で訪問したテネシー州のメンフィスでは、"I AM A MAN"と記されたTシャツやグッズなどが所々で売られていましたが、元々この言葉は、1968年にメンフィスで人種差別に対してストに入った黒人清掃員が、デモのプラカードに書いたスローガンでした。

 都市部における底辺の黒人労働者の生の叫びとして、"I AM A MAN"は、60年代の公民権運動を象徴する言葉となりました。そしてこのメンフィスの闘争の中で、公民権運動の指導者マルティン・ルーサー・キング牧師が暗殺されたのでした。

"I AM A MAN"のスローガンは、現在では中国や北朝鮮の国民にそのまま当て嵌まる言葉でもあり、まさに普遍性を有するメッセージと言えます。

 これを複数形で表現すると、

"We are humankind."

となります。

 以上のように考えるならば、世界中の人々が、国境や宗教の壁を越えて民主主義の価値を共有し、共に人類の自由の為に闘う為には、この2つのメッセージが有効であり、最も必要であると言えるでしょう。

 すなわち、

"We are humankind."

"Do for our planet."


「人類の一員として、この惑星の為に何を為すべきか」について、常に自らに問わなければならない時代に、私達は生きていると思います。


公民権運動指導者 キング牧師
PHOTO: (C) Wikipedia



全ての人が人間らしく生きられる世界に向けて

 私は今回の訪米旅行を通じて、私自身がこの世界の為に真に為すべき事を悟り、帰国の途に就きました。

 この世に人間として生まれた限り、誰もが人間らしく生きる権利があるはずであります。

 しかしながら、いくら努力や苦労をしても報われない人々、働けど働けど生活が向上しない人々が、数多く存在します。

 他方では、何一つ努力も苦労もせずに、財産や地位を手にする人々が存在します。

 これが、今日の格差社会であります。

 富は、一握りのごく少数の金持ちの所に集まり、さらに増殖してゆきます。一方で、中間層は没落し、貧しい人はさらに貧しくなります。

 現在の国の経済政策や景気対策では、大多数を占める貧しい人々は決して救われません。

 自由放任主義によって歪み切った社会を正常化するには、真に公平で公正な所得再分配の政策が必要であります。

 善人・悪人を問わず、苦労する人もしない人も、働く人も働かない人も、人間としてこの世に生まれた以上、本来ならば、全て人間らしく生きる権利があるはずです。苦労している人や貧しい人であれば、なおさらのことであります。

 実際には、財源は山ほどあるのです。

 真に公平な「富の分配」が実現される時、この世に生を享けた全ての人々に、人間らしく生きる権利が保証されることになるでしょう。

 すなわち、

"Share and help."

が、求められているのであります。


キング牧師が暗殺されたホテル: 現在は公民権運動博物館 (テネシー州・メンフィス)
PHOTO: (C) Wikipedia



まずは世界の変革から

 かつて私が野田内閣の経済産業副大臣の時、APEC、WTO、OECD、IEF、G20等の会議に参加し、各国の代表者達と話し合った際には、「世界を変えなければ、国は良くならない」「世界の在り方から変革しなければ、人間は幸せになれない」ということを痛感させられました。


 まず世界を変え、国家を変え、社会を変え、万人に幸福をもたらす。

 人権財団は、こうした理想を具体的に実現するために設立されました。



 財団のホームページには、様々な政策提言を掲載しております。

 皆様からの貴重な御意見や御提案をお待ちしています。



 2015年 9月28日







《財団概要》

名称:
一般財団法人 人権財団

設立日
2015年 9月28日

理事長:
牧野 聖修
(まきの せいしゅう)




 定款(PDFファイル)




《連絡先

一般財団法人
人権財団本部
〒100-0014
東京都千代田区永田町2-9-6
十全ビル 306号
TEL: 03-5501-3413