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FMラジオ番組
「まきの聖修の、出せ静岡の底力」
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所得の再分配より「資産の再分配」を
─── Share and help. ───
[2014.7.26]
"Share and help."社会の実現へ
我が国の政府および地方自治体の総債務残高は、今年度には1200兆円を上回ると見込まれている。そしてその負担の大半は、これから生まれてくる将来世代に負わされることになるのである。
また年金をはじめとした社会保障制度も、将来世代への負担がますます強化される方向にある。
今の我が国は、経済成長期が終わっている上、超高齢化社会になっている。
ここで国民意識を根底から変えていかない限り、国全体が滅んでしまうであろう。
具体的には、「富の分配」や「負担の分配」の方法を、抜本的に検討し直すべきという発想が必要である。
従来、「富の分配」については、「所得の再分配」という思想が主流であった。
「所得」というのは、フローであり、「所得税」は、フローに対する課税である。
そして、今限界に来ているのは、「フローの再分配」である。政府はフローへの課税だけをやって、「ストック」にはほとんど手をつけて来なかった。
「ストック」に対する課税という発想が無かったために、禁じ手の赤字国債を乱発したり、不景気の最中に消費増税などという手を打つしか無かったのである。
これから国家的課題として本格的に議論されるべきは、「ストックへの課税」すなわち「資産の再分配」である。
固定資産税など不動産に対する課税はすでに存在するが、「預貯金」や企業の「内部留保」といったストックの富の再分配は、社会システムに組み込まれていない。
こうしたストックとしての資産にまで突っ込んで再分配を行えば、将来世代に負担を押しつける必要も無くなる。
今日我が国では、高齢者が最も資産を持っている。
ただし、何億円も資産を持っている高齢者も多いが、資産を持っていない高齢者はそれよりも遙かに多い。
このように、「働かなくなってから拡大する格差」の存在は深刻である。
高齢者の世代内同士の格差は、若者層との世代間格差よりも大きいと言える。
現在の「負担の再分配」は、若者と高齢者の間で行われている。
しかし、「ストックの再分配」という形で高齢者の世代内再分配をやれば、高齢者の社会保障費用は十分に賄えるはずである。
日本社会が崩壊する前に
「再分配を強化すれば経済成長が見込めなくなる」といった意見もあるが、社会全体が安定しない限り、経済再生などあり得ないことは、現実によって証明されている。
経済停滞期において、なおも新自由主義政策を推し進めた結果、ますますデフレが進行し、格差が拡大してきたのが今日の我が国の姿である。
格差が広がれば広がるほど、社会の底辺層が増えていくことになり、治安は悪化する。詐欺や窃盗や略奪などの犯罪が多発するようになり、社会秩序は乱れる。
毎日のように報道される振り込め詐欺やネット詐欺あるいは薬物売買といったアングラ経済の規模は、実体経済の規模に迫りつつある勢いである。
このような社会が発展するはずかない。
「市場競争で勝った者が勝ちっ放しで良い」という従来の新自由主義的発想は、社会に不安と混乱と停滞を招くだけであることを知らねばならない。
もしこれが経済成長期であれば、新自由主義的な政策は正しいと言って良い。社会全体が発展するから、富の再配分は特に必要が無く、国による福祉は最低限で構わないだろう。
しかしながら、現在のような経済停滞期になれば、 「勝ち組の勝ちっ放し」の社会は必ず秩序が崩壊することになる。
そのため、市場経済で勝った人達は、勝ち得たものを税金などの形で納めて社会全体で分かち合い、負けた人達に援助をする必要がある。
古来より大資産家は篤志家として、持てる富を貧者に分け与えたものである。近世イタリアのメディチ家やボルジア家、近代アメリカのロックフェラーやカーネギーなど、枚挙に暇がない。
自発的に慈善家として活動することを躊躇している内気な日本の資産家達の為にも、国家が積極的に「資産の再配分」を実行すべきであろう。
今こそ、国民意識の転換が必要なのである。
そもそも「自由主義社会」を標榜する我が国に、「機会の平等」が担保されているだろうか。
生まれた時から貧富の格差があるならば、「機会の平等」は最初からあり得ない。
それに対し「資産の再分配」は、万人がスタート時点で「機会の平等」という、本来あるべき自由主義社会の理想を実現させる。
すなわち、「資産の再分配」は「機会の再分配」でもある。
またそれは、市場競争に敗れた人達が、何度でもやり直せる社会である。
今現時点で勝ち組になっている人達も、いつ敗残者に転落するか分からない以上、「機会の再分配」に優先順位を置くという意識転換が求められるであろう。
また、資産への課税が本格的に実現すれば、所得税や消費税を大幅に減税することも可能となり、その経済効果は計り知れない。
「勝ち組の勝ちっ放しの社会」か、それとも「分かち合いと助け合いの社会か」、どちらが国民にとって望ましい社会であるかを、国民自らが選択する機会が必要である。
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《財団概要》
名称:
一般財団法人 人権財団
設立日:
2015年 9月28日
理事長:
牧野 聖修
(まきの せいしゅう)
定款(PDFファイル)
《連絡先》
一般財団法人
人権財団本部
〒100-0014
東京都千代田区永田町2-9-6
十全ビル 306号
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