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《 寄 稿 》
新文明構想
大和一言主 著
『 新文明構想 』 目次
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新 文 明 構 想
第 12 回
政府通貨の発行
減価通貨は政府通貨としての発行を
それでは、そのような減価通貨を、一体誰がどのように発行するのか、という問題になります。
通貨の信用には、裏付けとなる金や外貨といった準備高が必要です。
欧米では、民間の金融業者が国家の中央銀行として通貨を発行し、国家の財政および経済全体を支配しています。
ちなみに日本銀行は、株式の半分以上を日本政府が保有しており、ほぼ国営に近い中央銀行ですが、形の上ではあくまで民間銀行です。
これに対し、政府が無制限の発行権を有する「政府通貨」というものがあります。
明治維新直後には、政府通貨として「太政官札」というのが流通していました。また、第二次大戦中に発行された「軍票」も政府通貨の一種です。
現在では、硬貨に限り造幣局を通じて政府が貨幣発行をしており、紙幣は発行していません。
なぜ政府が紙幣を発行しないのかというと、裏付けとなる「信用」が必要となるためです。
では、日本政府に信用が無いのかというと、決してそんなことはありません。
様々な国家施設や国有林をはじめとする国有地の全てを日本国の資産として考えるならば、時価500兆円以上の資産があると言われています。
ただし、それらはあくまで「日本国」の資産であって、「日本政府」の資産はその中の一部に過ぎません。
日本政府の資産全体の解明は、いずれ誰かが必ずやらなければならない作業でありますが、特別会計だけで少なくとも250兆円はあると試算されています。特別会計は全て日本政府が保有する資金であります。
日本政府には最低でも250兆円分の支払い能力があると見做すならば、250兆円の範囲内で政府通貨を新規に発行することが可能となります。
そこで、前に述べた「減価通貨」については、日本政府が「政府通貨」として発行する事にすれば、「信用」という面での問題は無くなり、最も実現可能な方法であると考えられます。
ハイパーインフレはあり得ない減価通貨
実際問題として、減価通貨の「信用」については、これで十分なくらいであります。
そもそも現行の通貨である米ドル札や日銀券に、一体どれほどの信用があるかというと、全く何も無いと言っても過言ではありません。
1971年8月15日のニクソンショック以降、米ドルと金(ゴールド)との兌換が停止され、さらに米ドルと固定レートで交換されていた各国通貨が変動相場制に転換しました。
すなわち、ドル札は金の信用の裏付けを失い、各国通貨はドルによる信用の裏付けを失い、ただの紙きれ同然の状態になったことになります。
かくして、1971年以降は、通貨の価値は単に人々の「信仰」だけによって支えられているのが現状です。
最近の経済学では、各国の通貨同士で複合的に支え合っている為替相場によって通貨の「信用」がもたらされていると考えられています。
ですから、減価通貨の場合は、「円」を担保にしておけば、それで信用になるのです。
ちなみに、政府が野放図に政府通貨を発行すれば、「ハイパーインフレ」になるのではないか、という懸念はよく聞かれますが、減価通貨に限ってはあり得ないことです。
そもそもインフレとは、通貨の価値が下がることによって生じる現象です。
現行の通貨は、発行した後、いつまでも残存する通貨だから、発行量が多くなると価値が無くなってインフレになるのです。
減価通貨の場合は、コンピューター制御によって、発行後1年経過すれば必ず消滅します。
また、発行総量を常に調整する事が可能ですから、インフレにもデフレにもならないように通貨供給をコントロールすることも出来ます。
しかも、ハイパーインフレなどというのは、国家が崩壊したような時にしかあり得ない現象です。
第一次大戦後のドイツは、無政府状態で、おまけに内戦状態でした。当時ヨーロッパ最強の革命集団として恐れられたドイツ共産党が武装蜂起したり、天文学的な賠償金を取り立てる為にフランスがドイツのルール地方を武力占領するなど、まさしく国家が崩壊した状況下でハイパーインフレになっていたのですから、かりにハイパーインフレになるような時には、経済よりも重要な事を心配をした方が良さそうです。
このように減価通貨は、理論上は無制限に発行することが可能です。
しかしながら、不安に感じる人が多いようであれば、「政府資産である250兆円以内」というように上限を定めて政府通貨を発行すれば良いでしょう。
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《財団概要》
名称:
一般財団法人 人権財団
設立日:
2015年 9月28日
理事長:
牧野 聖修
(まきの せいしゅう)
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《連絡先》
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