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《 寄 稿 》

新文明構想

 大和一言主 著

『 新文明構想 』 目次













新 文 明 構 想

第 9 回

最小国家の必然性



    




累進課税制がもたらすもの

 現在、世界中で「反グローバリズム」の潮流が巻き起こっています。

 とりわけ、グローバリズムがもたらした移民問題や格差問題を抱えるEU諸国では、右派のポピュリズム政党が台頭しています。

「グローバリズム VS 国民国家」の図式で、「移民排斥」「格差是正」「国民ファースト」といった反グローバリズムの主張は、多くの人々の耳には心地よく響くようです。

 米国でも、移民問題や格差問題は深刻であり、白人貧困層に支持されたトランプ氏が大統領選に勝利する要因となりました。

 日本の場合は、幸いにも移民問題は皆無で、目立った反グローバリズム運動も右派のポピュリズム政党も存在しませんが、格差問題は欧米に劣らず深刻で、何らかの契機があれば、政局が大きく変化する可能性はあります。

 ちなみに日本国内でも、格差是正の為に「累進課税制」の復活を望む声も出始めていますが、その効果については、大いに疑問を持たざるを得ません。

 本来の累進課税制とは、あくまで「所得再分配」の為に行われるべきもので、金持ちから税金を多く取って、貧しい人々に分配するのが筋であります。

 しかしながら日本の場合は、金持ちからいくら多くの税金を取ったとしても、それらが貧しい人々に回されることはなく、官僚や官僚のOB達によって食い潰され消えてゆくシステムになっています。

 詳細については後に述べますが、日本ではいくら累進課税を強化しても、決して貧しい人が豊かになる事はなく、官僚独裁が強化されるだけの事です。

 一般国民の立場から見ても、資本家が自分で稼いだ金を自分自身の為に使う事は納得出来るとしても、役人が国民から巻き上げた金を自分自身の為に使う事について納得出来る人はいないでしょう。

 また、先進諸国を中心に減税に向かう国々が主流を占める世界の中で、もし日本だけが累進課税を導入しようものなら、資産の国外流出は避けられない事態となり、元も子も無くなってしまいます。

 資産家のみならず、多くの国内企業が海外に移転することになりますから、日本はますます貧しい国家へと転落してゆくことになります。

 したがって、「大きな政府」か「小さな政府」かという議論の場合には、「小さな政府」を選択せざるを得ません。



官僚制の終焉

 現在のあらゆる職業や職種は、いずれコンピューターや人工知能に取って代わられます。

 ただし、無くなるのは民間の仕事だけではありません。官僚や公務員の仕事も不要になります。

 官僚制が全て人工知能で置き換えられるようになれば、「大きな政府」か「小さな政府」か、といった議論も、過去のものとなるでしょう。

 本来、官僚の仕事は、機械で代行できるものだけであります。

 裁量や判断を伴う業務は、本来は全て政治家がやるべき仕事であり、国民から選出されたわけでもない官僚が、勝手な判断を下す事など、あってはならないのです。

 膨大なデータを瞬時に処理できる人工知能は、官僚10万人分の能力を遥かに凌駕しています。

 また、利害と無関係な人工知能の方が、官僚などよりも余程信頼できます。

 今世紀中には、官僚制が消滅し、「最小国家」の国家形態が実現することが予想されます。

 これは、技術的必然であり、歴史的必然でもあります。






    





























































































《財団概要》

名称:
一般財団法人 人権財団

設立日
2015年 9月28日

理事長:
牧野 聖修
(まきの せいしゅう)




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