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「まきの聖修の、出せ静岡の底力」













香港の「中国化」と習近平の野望


台湾併合の前哨戦としての香港「中国化」政策


[2019.6.15]




香港・立法会付近で警官隊と衝突する市民デモ (2019年6月12日)
PHOTO(C)REUTERS



中国共産党主導による香港の「中国化」を許すな


 6月9日以降、香港では「逃亡犯条例」改定に抗議する大規模デモが行われている。

 デモ主催者側の発表では100万人を超えるデモであり、香港返還以降、最大規模の抗議行動が展開されたことになる。

 当局が今年2月以来成立を目指している「逃亡犯条例」改定案が成立すれば、当局は犯罪容疑者を香港から中国本土に送還できるようになる。

 表向きは「政治犯は対象外」とされているものの、これまでの中国当局の遣り口を見る限り、別件逮捕やデッチ上げによる拘束は日常茶飯事である為、香港市民は強い危機感を抱いている。

 逃亡犯条例改定により、香港にいる全ての人々が中国本土の司法権力による監視対象となり、中国政府が恣意的に香港市民や外国人の引き渡しを求め、拘束や拷問を加える事が可能となる。航空機乗り継ぎなどで香港に立ち寄った外国人でも安全は保障されない。

 今回の条例改定の動きは、香港の体制を中国本土の体制に合致させようという中国共産党指導部による香港「中国化」政策の一環である。

 中国本土では法の支配に基づく公正な裁判も保障されていない事から、香港の人々は、
「条例が改定された暁には香港の自由と自治が崩壊する」
「中国共産党に批判的な市民の弾圧に悪用される」
「人権侵害につながる」
「中国は条例改定により香港を完全に支配しようとしている」
などと反発している。

 普段は親中派である香港の財界人でさえ、「香港の法の支配が損なわれ、国際市場としての評価が低下する」と心配している。

 また香港の米国商業会議所は、条例改定が香港における米国や米企業の利益に深刻な影響を及ぼしかねないとして、強い懸念を表明している。

 さらに、香港の人権諸団体やジャーナリスト保護委員会(CPJ)、レインボー・アクションなど約70の非政府組織も、条例改定案の撤回を呼びかけている。

 一方、条例改定案を推進している香港の林鄭月娥行政長官をはじめ、香港政庁は親中派で固められており、議会にあたる立法会も議員定数70人の内、親中派が43人と、条例改定賛成派が大半を占めている為、立法会での審議が始まった場合、条例改定案が可決成立する事は確実である。

 そうした中、市民による大規模デモの拡大に伴い、当局は事態の収拾を余儀なくされ、林鄭長官は15日に「立法会での審議は無期限延期」と発表した。

 しかしながら、法案が完全撤回されない限り、何一つ問題の解決にはならないだろう。

 当財団は、民主化を求める香港市民を断固支持し、連帯を表明するものである。



台湾併合の前哨戦としての香港「中国化」政策


 極東情勢を俯瞰して見るならば、現在の香港で起きている事態は、日本にとって決して「対岸の火事」ではない。

 1997年に香港が中国に返還された際、中国は50年後の2047年までは「一国二制度」の原則を維持し、香港の人々の自由と香港固有の法制度を支持すると保証していた。

 そのため、江沢民や胡錦濤の時代は、香港でデモを起こせば、市民側の要求が通る事は何度もあった。

 しかしながら、習近平が中国で実権を握った2013年以降、香港の自由は急速な勢いで失われるようになり、市民の要求がほとんど通らない状況へと変化した。

 民主化を求める2014年の「雨傘革命」は79日間で完全に鎮圧され、当局が市民の意見に歩み寄る事は一切無かった。

 雨傘革命後は、ますます香港の民主化運動に対する当局の締め付けが強化され、抗議活動に関与した活動家は投獄され、独立を掲げる政党は禁止された。

 また、中国共産党に対して批判的な書籍や六四天安門事件の関連本を扱っていた書店主をはじめ、何人もの実業家や弁護士などが相次いで中国当局に拘束された。

 短期間に随分と乱暴な所業に及んでいるわけであるが、習近平の最終目標は革命100周年にあたる2049年までに「世界の中国化」を実現する事である為、2047年まで香港を自由社会にしておく気などさらさら無いようである。

 中国にとって当面の主要目標は「台湾併合」である。

 「逃亡犯条例」改定問題に象徴される香港の「中国化」政策は、台湾の「中国化」に向けた前哨戦として理解する必要がある。謂わば「今日の香港は明日の台湾」である。

 習近平が掲げる「中華民族の偉大な復興」を実現する上で、台湾との統一は必須不可欠の絶対的課題であり、習近平は自身の任期中の台湾併合を目指している。

 今年(2019年)年頭の1月2日、習近平は、台湾政策に関する演説を行った。

 そこで述べられた政策の柱は、
1.平和統一の実現
2.「一国二制度」の適用
3.「一つの中国」堅持
4.中台経済の融合
5.同胞・統一意識の増進
の5項目である。

「平和統一の実現」とは、中国共産党の言いなりになる傀儡政権の樹立等によって、なるべく戦闘なしでの併合を目指すという意味である。

「一国二制度」の適用とは、香港のように、「中華人民共和国の一部になっても体制は何も変わらないから大丈夫」と騙しながら併合し、そのうち中国共産党による独裁体制に完全に組み込んでゆく戦略である。

 また、「一つの中国」堅持とは、「中華民国(あるいは台湾)という国は地球上に存在しない」という確認であり、「独立は絶対に認めない」という警告である。

 さらに「中台経済の融合」とは、台湾の経済システムの独自性を否定し、中国の経済システムに吸収併呑させる戦略である。かつて世界の金融センターであった香港の地位が上海に完全に取って代わられたように、台湾はいずれ「ただの島」になってしまう事になる。

 そして第5項の「同胞・統一意識の増進」とは、「台湾の中国化」および「台湾人の中華民族化」を意味しており、台湾が中国に占領支配されたチベットや新彊ウイグルと全く同じ境遇に置かれるという事である。

 習近平は同演説で、「台湾問題は民族の復興によって必ず終結する」と述べ、さらに「あらゆる必要な措置を取る選択肢を保有する」と表明し、台湾併合への強い意欲を示した。

「あらゆる必要な措置を取る選択肢を保有する」とは、「なるべく平和的な併合が望ましいが、必要とあれば武力行使をする」という意味であり、台湾独立の動きや外国の介入に対しては、戦争をも辞さないという意思表明である。

 年頭演説で習近平の台湾政策が具体的に示された事もあり、今年に入ってから中国の東シナ海における軍事力が急速に増大している。

 このように、香港の「中国化」に続く中国の標的は、台湾の「中国化」であり、さらにその次の段階には、沖縄や日本の「中国化」が予定されているものと考えられる。

 今後とも、香港や台湾をはじめ極東情勢を注意深く見守ってゆく必要がある。











《財団概要》

名称:
一般財団法人 人権財団

設立日
2015年 9月28日

理事長:
牧野 聖修
(まきの せいしゅう)




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《連絡先

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