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 理事長プロフィール





FMラジオ番組
「まきの聖修の、出せ静岡の底力」













21世紀世界の原理原則とは何か


多様性(Diversity)の重要性について


[2019.1.20]




 
民族や文化の多様性を否定し、自国内のウイグル人を虐殺する中国人民解放軍



「国民国家」時代の終焉


 近年、「多様性」や「ダイバーシティ」といった価値観や考え方が重要視されるようになりました。

 最大の要因は、様々な立場や境遇の人々の情報発信を可能にしたインターネットやSNS等の通信技術の革新にあります。

 しかしながら、「多様性」の概念がポジティブな意味で用いられるようになったのは、歴史的に見れば比較的最近の事であって、1960年代以降の西側諸国において見られた現象です。

 それ以前の時代や社会においては、「多様性」はむしろネガティブな意味合いを帯びていました。

 18世紀のフランス革命以降、欧州各地において成立した「国民国家」は、単一の価値観によって国民を纏め上げる事を必要としていました。

 そのため、国民国家においては異質な思想や価値観は社会から異端視され、「多様性」は無秩序やアナーキーに通じる反社会的な概念と見做されていました。

 その後、二度の世界大戦によって欧州が没落し、西洋中心主義が崩れると共に、近代思想の底流にあった人間中心の世界観や歴史観に対しても疑問が持たれるようになりました。

 西洋近代主義を一言で表すならば、「進歩」や「成長」を絶対善と見做す信仰です。

「これまで人間や社会は常に進歩し成長し続けて来た」と見做し、「これからも進歩と成長は永久に続くはずだ」という虚構の神話が全体で共有された社会が、近代社会でした。

 資本主義を批判していたマルクス主義でさえ、こうした成長神話や進歩概念に全面的に依拠した思想であり、近代主義の塊のようなイデオロギーでした。

 私達は、西洋中心主義や近代主義の世界観や歴史観から脱却し、新時代に相応しい道を歩む必要があります。



多様性こそが新時代の基本理念


 我が国で「ダイバーシティ」という言葉を使うと、「また女性活用か」などと矮小化されて解釈される傾向にあります。

 しかしながら、「多様性」の概念は遥かに奥深い意義を有しており、この概念こそが、21世紀以降の人間社会の基本理念になる事は間違いありません。

 近年の急速なインターネットの普及と通信手段の革新によって、過去数世紀にわたり「紙媒体」に至上価値を置いてきた人類意識は大きく変容しつつあります。

 人々のコミュニケーション媒体の飛躍的変化に伴う社会の大変革、これこそが現代における革命そのものです。

 そして、人間社会が根底から変化しつつある現在、「多様性」が大きな意義を持つようになりました。

 なぜなら、高度情報化社会においてイノベーションを発生させるためには、多様性が必要となるからです。

 例えばネット上のBBSにおいては、社会的地位がある人も、全く無い人も、皆が対等の立場で同じテーマについて熱心に議論する現象が生じています。

 性別や年齢の差や職業の如何を問わず、一切の社会的立場を越えて様々な人々が一堂に会して議論する事など、現実社会ではあり得ない事です。

 このような「あり得ない現実」が、ネット世界では日常化しているのです。

 確かにネット上の文面自体は、罵り合いや揚げ足取りや誹謗中傷の連鎖のように見えるかも知れません。

 しかしながら、コミュニケーション媒体としてのネットの機能そのものに注目すれば、いずれも人々が立場や価値観の違いを容認し合い、異なる考えを融合させたり、あるいは上乗せしたりしながら、より良いアイデアを創出してゆくというプロセスが自動的に成立しています。

 学者や経営者や芸術家から、ニートやホームレスに至るまで、あらゆる個性や文化が交じり合い、他者を受容し、互いの発想を高め合うという現象が自然発生的に生じているのです。

 多様性とは即ち、こうした意思決定過程や思考様式の在り方の事です。

 多数派も少数派も、互いを受容し、情報や発想を上乗せしながら、未知の解決法へと到達してゆくプロセスこそが、「多様性」の持つ意義であります。

 こうした高度情報化社会における意思決定過程は、旧体制に見られた多数決原理による多数派独裁とは根本的に異なるものです。

 高度情報化社会とは、言い換えれば「高度多様化社会」であります。

 そこでは、それぞれの個性や文化を融合させ続ける事によりイノベーションが生まれ、本当の意味で世界を変革し得るのです。



「高度多様化社会」に向けて


 近代社会においては、方針や考え方の違う人は組織から排除し、単一の価値観で物事を進める事が最善策だと見做されてきました。

 そこでは、異質な少数意見の中にこそ貴重な見解や真実が存在するという考えなど微塵も無く、共生の在り方に関する理解もありませんでした。

 例えば、多数決によって物事を決するという意思決定のプロセスは、一見合理的に見えますが、実際は少数派の抹殺による社会的価値の損失が大きい非合理な方法論でもあります。

 多数決原理の社会では、少数意見の持ち主やマイノリティへの理解は求められず、少数派を黙殺するか、もしくは多数派に転向させる事が求められました。

 このように、「紙媒体」によって運営されてきた旧社会は、単一の価値観で人々を統合し、多様性を排除する方が効率的だった時代でもあります。

 しかし、「デジタル媒体」によって運営される高度情報化社会においては、事情は全く異なります。

 21世紀以降の世界は、「異質」や「少数」を排除するのではなく、「異質」や「少数」を受容しながらイノベーションをしてゆく事が求められます。

 自分とは異なる他者の思想や価値観や文化を受け容れ、融合させることにより、より高度なレベルに進化を遂げてゆくシステムこそが、今後の世界が向かうべき「高度多様化社会」であります。

 一方、近代主義の産物であるマルクス主義を信奉し、未だに「成長」と「進歩」に固執し、覇権主義的な拡大政策を続けている中国は、いわば「周回遅れの先頭走者」のような存在です。

 旧態依然たる価値観に囚われた中国は、民族や文化の多様性を一切認めず、チベットやウイグル等において少数民族の抹殺政策を繰り返しています。

 「情報化」と「多様化」という新文明の巨大な潮流に逆行する体制は、遅かれ早かれ淘汰され、瓦解し去る事は避けられないでしょう。

 このテーマについては、今後も引き続き考察して参ります。











《財団概要》

名称:
一般財団法人 人権財団

設立日
2015年 9月28日

理事長:
牧野 聖修
(まきの せいしゅう)




 定款(PDFファイル)




《連絡先

一般財団法人
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