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ミニマリズム時代の到来 ・ 目次













ミニマリズム時代の到来

第 2 回

ミニマリズムの世界的潮流



    



現代に甦るソローの思想


 ノーベル経済学賞受賞者のダニエル・カーネマン教授が2010年に発表したプリンストン大学の調査結果によると、世帯年収が7万5千ドル以下の人では収入と「喜び」や「満足感」といった感情は比例するのに対し、世帯年収7万5千ドルを超えると、収入が増えても「喜び」や「満足感」は増えなくなるという。

 19世紀の米国を代表する思想家であるヘンリー・デイヴィッド・ソローは、その著書『森の生活』において、「家を持たず、食べ過ぎる事も無ければ、働く必要も無い」と述べている。

 またソローは、「私には泉から汲んできた水と、棚に黒パンが1個あれば十分だ」とした上で、「簡素な生活をする気になれば、もっと楽しい生活が始まる」と述べている。

 ソローは、人頭税の支払いを拒否して投獄された際に『一市民の反抗』を著し、その思想は20世紀のマハトマ・ガンディーのインド独立運動やキング牧師の公民権運動などに多大な影響を与えた。さらに、21世紀のアメリカにおいてはティーパーティー運動や良心的納税拒否の思想的先駆者とされている。

 資本や富や労働の意味が問い直されつつある現代において、ソローの思想的意義は大きい。

 人工知能(AI)の発展によって、今世紀半ばには人間の仕事の大半が消滅することに伴い、富や財産の意味も根底から変化することが予想される。

 21世紀の人類全体にとって必要な思考法が、19世紀の米国においてすでに提言されていたことは、まさに僥倖と言えよう。

 文明の大転換を目前にした現代こそ、人間にとって真の豊かさとは何か、真の富とは何かについて、考え直すべき時機である。






    
























































































































































































































《財団概要》

名称:
一般財団法人 人権財団

設立日
2015年 9月28日

理事長:
牧野 聖修
(まきの せいしゅう)




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